4月から受験勉強を本格的に始める私立文系受験生に向けて、4月・5月・6月に何をすべきかを解説します。

高校3年生はもちろん、高校1・2年生や浪人生にもおおむね当てはまる内容です。志望校は日東駒専から早慶まで、標準的な私立文系受験生(英語・国語・社会の3科目受験)であれば全員に当てはまります。数学受験や推薦などの特殊な受験方式の方は対象外です。なお、私立文系における数学受験は基本的におすすめしません。数学ⅢCが不要になるとはいえ、文系の人間にとっては難しい部分も多く、英語・国語・社会の3科目で戦う方が戦略として優れています。

この記事では「なぜ英語9割なのか」という理由から、具体的な参考書の選び方・進め方・月ごとの目標まで、春の3か月間でやるべきことをすべて書きます。読み終えた後には「今日から何をすればいいか」が完全にわかる状態になるように設計しています。

この記事でわかること
  • 4〜6月に英語だけ勉強すべき理由(社会・国語を後回しにしていい根拠)
  • 英語の勉強ステップと各ステップでおすすめの参考書
  • 4月・5月・6月それぞれの具体的な目標
  • 正しい進め方のルールとやりがちなNG行動
  • よくある疑問へのQ&A
ゴリラ戦略
ゴリラのひと言 英語ができない私立文系は存在しない。それくらい英語は絶対だ。

目次

・1. 結論:4〜6月は英語に9割以上の時間を使う
・2. なぜ社会・国語を後回しにしていいのか
・3. 英語の4ステップとおすすめ参考書
・4. 月別の具体的な目標(4月・5月・6月)
・5. 進め方のルールと注意点
・6. よくある質問(FAQ)

1. 結論:4〜6月は英語に9割以上の時間を使う

衝撃に感じる人もいるかもしれませんが、4月・5月・6月の勉強は英語が9割以上です。10割でも構いません。9割を下回ることは絶対にあり得ません。

1日10時間勉強するとしたら、9時間は英語に充てるということです。それくらい、私立文系受験において英語は絶対の科目です。

なぜここまで言い切れるのか。その理由は単純です。英語は私立文系の全試験において配点が最も高く、かつ実力がつくまでに最も時間がかかる科目だからです。社会は直前の追い込みでも間に合いますが、英語だけは春からコツコツ積み上げた人間にしか本番で戦えません。英語の基礎体力は、1〜2週間の詰め込みでは絶対に手に入りません。

また、私立文系の試験における英語の配点比率を確認すると、多くの大学で全体の40〜50%を占めます。MARCHや早慶では英語が合否を決めるといっても過言ではなく、社会や国語で点差をつけようとするよりも英語を固めた方が圧倒的に効率がいいのです。

4〜6月にやること・やらないこと 長文・英作文・過去問はまだ一切必要ありません。この時期に焦って手を出すのは逆効果です。基礎が固まっていない段階で長文を読んでも力にならず、時間を無駄にするだけです。「土台を作ってから積み上げる」という順序を守ることが、最短で合格するための鉄則です。

2. なぜ社会・国語を後回しにしていいのか

「社会もやらないと不安」「国語も大事じゃないか」という声はよく聞きます。しかし、この時期に社会・国語に時間を使うことは、受験戦略として大きな間違いです。以下でその理由を詳しく説明します。

社会を早くからやっても意味がない理由

社会は暗記科目なので早くから詰め込んでも後で忘れます。さらに、社会は高得点勝負になりやすく、早くから始めた人と正しく勉強して後から追いついた人の点差は、最終的には10〜20点程度しかないことがほとんどです。その10〜20点のために貴重な春を使う意味はありません。

社会(日本史・世界史・政治経済など)は、夏から本格的に取り組んでも十分に間に合います。むしろ、暗記は本番に近い時期にやった方が定着します。「4月から社会をやっていた」という受験生が合格し、「7月から社会を始めた」という受験生が不合格になるケースは、英語の仕上がり方の違いによるものがほとんどです。早期に社会を仕上げた安心感は、英語の遅れという大きな代償を払っているにすぎません。

国語について

国語は英語をしっかりやることで読解力が底上げされる部分があります。また、国語は正しい勉強法が難しく、やり方を間違えるといくらやっても伸びないという運ゲーのようなリスクがあります。良い塾・予備校で質の高い授業を受けられる環境にある人は別ですが、そうでない場合はこの時期に国語に大きな時間を割くのは効率が悪いです。

現代文は感覚的に解こうとすると伸び悩みます。正しい読解の型を身につけるには時間と質の高いインプットが必要です。古文・漢文については、単語と文法の暗記が中心になりますが、これも社会と同様に夏以降に集中して取り組む方が効率的です。春の時点では、英語への集中を最優先にしてください。

英語を先に固めることのメリット

英語の基礎を春に徹底的に固めることには、単純に「英語が伸びる」以上の意味があります。英語力が上がると長文読解のスピードが上がり、入試本番での時間的余裕が生まれます。また、英語で安定した得点源ができると、社会・国語で多少ミスをしても挽回できる精神的な余裕が生まれます。受験は総合点の勝負であり、英語という最大配点科目を早期に安定させることが、戦略の核心です。

受験情報に関する注意
一部の有名YouTuberや塾の情報発信には「やった感を与えるだけ」の参考書紹介が多く、実際の入試で点数につながるかどうかとは別の話になっていることがあります。満足度を優先した参考書紹介に踊らされず、本当に効果のある勉強をしてください。本記事はやる気のある受験生に向けて、実際に点数につながる情報だけを提供します。

3. 英語の4ステップとおすすめ参考書

4〜6月に取り組む英語の勉強は、以下の4つをこの順番でやるだけです。全部終わらなくても大丈夫です。6月末時点で熟語まで進んでいれば十分です。

STEP 1

英単語帳:システム英単語

英単語帳はシステム英単語(シス単)一択です。これ以外の選択肢はありません。ミニマルフレーズによる文脈での暗記が他の単語帳と一線を画しており、私立文系が必要とする語彙を効率的に網羅できます。まずここから始め、95%程度定着したと感じたら次のステップへ進んでください。100%を目指してここに留まり続けると先へ進めなくなるので注意が必要です。

勉強の進め方としては、毎日100〜200語を目安に繰り返し周回することが鉄則です。一度見ただけでは絶対に定着しません。1周目は「初めて見る」状態でも問題なく、2周・3周と繰り返すことで記憶が強化されます。特にミニマルフレーズを声に出しながら覚えると効率が上がります。

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STEP 2

英文法:Vision Quest 総合英語 Ultimate + パワーステージ

英文法は2冊セットで使います。

まず「Vision Quest 総合英語 Ultimate(ビジョンクエスト総合英語アルティメット)」は、英文法の情報量が最も多い総合英語書です。辞書のように使いながら英文法を体系的に理解する本です。学校で配られている人はそれを使えばよく、持っていない人は購入してください。

これと並行して、パワーステージ(英文法・語法問題集)にも取り組んでください。ビジョンクエストが「読んで理解する」本であるのに対し、パワーステージは実際に問題を解く演習書です。英文法は理解するだけでなく問題を解いてアウトプットすることが不可欠です。薄い問題集ではなく、情報量の多い分厚いものを選ぶことが重要です。英語をおろそかにして社会に逃げている場合ではありません。

使い方の具体的なポイントは、「問題を解く → 間違えた箇所をビジョンクエストで確認する → 再度解き直す」というサイクルを回すことです。問題集を一方通行で解いて答え合わせするだけでは力がつきません。なぜ間違えたのかを総合英語で体系的に理解し直すことに意味があります。問題の正解・不正解より「なぜその答えになるのか」を説明できる状態にすることを目指してください。

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  • ※ 難関大はこの2冊以外は足りません
  • ※ 全てのページをやること
STEP 3

英熟語帳:英熟語ターゲット1000

熟語はターゲットの熟語帳でよいです。熟語は単語と違って文脈から切り離して覚えにくいですが、掲載されている約1000個を機械的にでも頭に入れることが優先です。完璧な理解よりもまず「知っている状態」を作ることを目指してください。

熟語は長文の中で自然と意味を掴めるようになっていくものです。この段階では「見たことがある」「なんとなくわかる」レベルで十分です。STEP 1の単語と並行して、少しずつ上乗せしていくイメージで進めてください。1日30〜50個ずつ目を通す習慣をつけるだけでも、夏以降の長文読解で大きな差が出てきます。

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STEP 4

英文解釈:竹岡広信『大学受験のための英文熟考』上・下(旺文社)

英文解釈の本として、駿台予備校の人気講師・竹岡広信先生による「大学受験のための英文熟考」の上巻と下巻に完全に取り組んでください。上巻では動詞・接続詞・関係代名詞を中心に、下巻では倒置・強調・比較・省略など発展的なテーマを扱います。同じポイントを含む英文を繰り返し練習する構成になっており、音声(竹岡先生の講義)も活用できます。

英文解釈は「なんとなく読む」を卒業して「構造を見抜いて読む」に変わるための訓練です。単語と文法の知識があっても英文解釈が弱いと、難関大の長文で正確に読めません。特にMARCH以上を目指す場合、英文解釈の訓練を怠ると夏以降の長文演習で大きく躓きます。

6月末までに全部終わらなくても大丈夫です。上巻の途中まで、あるいは熟語のステップ3で止まっていても問題ありません。この時期にやるべきこととしては十分です。長文・英作文はまだ一切必要ありません。

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4. 月別の具体的な目標(4月・5月・6月)

「4ステップをこなす」と言っても、実際に月ごとに何がどこまで進んでいれば良いのかがわからないと動きにくいという声も多いです。以下に、おおよその進捗の目安を示します。あくまで目安であり、個人差があります。遅れていても焦る必要はありませんが、方向性の参考にしてください。

4月の目標

システム英単語の1〜3章を集中的に周回する

4月は英単語に全力を注ぐ月です。システム英単語の第1〜3章(基本的な単語〜重要単語)を繰り返し周回し、見た瞬間に意味が出てくる状態を目指します。完璧に覚えきる必要はなく、「3周以上している」という状態を作ることが4月の最低ラインです。並行して、英文法の土台が不安な人はビジョンクエストを読み始めておくと5月以降がスムーズです。

5月の目標

単語を継続しながら英文法(STEP 2)を本格始動する

5月はSTEP 1の単語周回を継続しつつ、STEP 2のビジョンクエスト+パワーステージを本格的にスタートします。パワーステージの問題を解いて、間違えた部分をビジョンクエストで確認するサイクルを確立しましょう。ゴールデンウィークは受験の天王山と言われることもありますが、焦って長文や過去問に手を出す必要はありません。英文法の基礎固めに集中してください。5月末時点でパワーステージの半分程度が終わっていれば理想的です。

6月の目標

英文法を仕上げ、熟語・英文解釈へ進む

6月はSTEP 2を完成させ、STEP 3の熟語とSTEP 4の英文解釈に進む月です。6月末の理想的な状態は「単語95%定着・文法一通り完了・熟語を1周・英文熟考の上巻の半分程度」です。英文熟考まで完全に終わらなくても問題ありません。それよりも、単語と文法が本当に自分のものになっているかどうかを確認することの方が重要です。夏休みが始まる前の7月から長文演習に入るための土台が整っている状態が6月のゴールです。

時期 メインの取り組み 目安の到達点
4月 システム英単語 集中周回 シス単1〜3章を3周以上
5月 単語継続 + 英文法スタート パワーステージ半分程度
6月 英文法完成 + 熟語・英文解釈へ 英文熟考 上巻の半分程度
7月〜 長文読解・社会・国語を本格始動 英語の土台完成状態

5. 進め方のルールと注意点

100%を目指さない

各ステップで「95%程度定着した」と感じたら次に進んでください。100%を目指してSTEP 1に留まり続けるのは最も非効率な行動です。STEP 2・3に進みながら、以前のステップを復習し続けるという並行進行が正しいやり方です。

❌ やりがちなNG
単語帳を100%完璧にしようとして、4月・5月ずっとSTEP 1から動けない。結果として文法・熟語・解釈に手がつかないまま夏を迎える。
✅ 正しい進め方
95%定着したらSTEP 2へ。STEP 2をやりながら単語は復習し続ける。STEPが進むにつれて全体をメンテナンスしながら前へ進む。

勉強時間の確保と質について

この時期の理想的な勉強時間は、高校3年生・浪人生であれば平日6〜8時間、休日8〜10時間です。学校の授業がある場合は放課後と帰宅後の時間をフル活用することが求められます。時間が取れない日があっても構いません。それよりも、毎日英語に触れることを習慣にすることの方が重要です。英語は一日でも触れない日が続くと感覚が鈍ります。たとえ30分しかなくても、単語帳を開く習慣だけは絶対に維持してください。

参考書を増やさない

この時期に陥りがちな失敗のひとつが「参考書コレクター」になることです。「もっといい参考書があるかもしれない」と考えて別の参考書に手を出すのは厳禁です。本記事で紹介しているシステム英単語・ビジョンクエストUltimate・パワーステージ・ターゲット熟語・英文熟考の5冊で十分すぎます。参考書を増やすことで勉強した気になるのは、受験における最大の罠のひとつです。同じ参考書を繰り返し完成させることの方が、新しい参考書をちょっとずつかじることより何倍も効果的です。

これで英語の土台は完成する

このSTEP 1〜4が一通り仕上がった状態というのは、私立文系において英語で戦える土台が完全にできた状態です。ここから夏以降に長文読解・過去問・社会・国語と積み上げていけば、MARCHや早慶も射程に入ってきます。信じてやってみてください。

4〜6月は英語に集中する。社会に逃げない。国語に逃げない。この3か月間の英語への集中度が、夏以降のすべての勉強の土台を決めます。やることはシンプルです。システム英単語→ビジョンクエストUltimate+パワーステージ→ターゲット熟語→英文熟考。この4ステップを順番に進めるだけです。

6. よくある質問(FAQ)

学校の授業で社会や国語もあるのですが、どうすればいいですか?
学校の授業を受けること自体は問題ありません。ここで言う「社会・国語に時間を使わない」とは、自主学習時間の配分の話です。授業中は普通に取り組んでください。ただし、授業外の自習時間(放課後・自宅・休日)については英語最優先を徹底してください。
英単語をなかなか覚えられません。何か良い方法はありますか?
英単語が覚えられない最大の原因は「1回だけ見て覚えようとしている」ことです。英単語の定着には反復が必要です。1日に新しい単語を増やすより、すでに見た単語を繰り返し確認することを優先してください。システム英単語のミニマルフレーズを声に出して読む・書く・聴くという複数の感覚を使うと定着が早まります。また、「わからない単語にチェックをつけて、チェックのある単語だけ集中的に繰り返す」という方法も効果的です。
英文法の優先順位はありますか?どこから手をつければいいですか?
英文法の中で最優先すべき単元は「時制・助動詞・不定詞・動名詞・分詞・関係詞・接続詞」です。これらは私立文系の入試で頻出であり、英文解釈にも直結します。パワーステージを進める際も、この単元が含まれる章を重点的に繰り返すことをおすすめします。仮定法・比較・倒置・強調構文なども重要ですが、まずは上記の基本単元を固めることが先決です。
英文解釈と長文読解は何が違うのですか?
英文解釈とは、1〜3文程度の短い英文を「構造を分析しながら正確に理解する」訓練のことです。一方で長文読解は、300〜700語程度の英文全体の流れをつかみながら問題を解く訓練です。英文解釈は長文読解の土台となるものであり、解釈力が弱いままでは長文を速く正確に読むことができません。英文熟考で英文解釈の精度を高めることが、夏以降の長文演習の効率を大きく左右します。
志望校が日東駒専レベルなら、もう少し社会や国語に時間を割いてもいいですか?
いいえ。日東駒専であっても英語を後回しにする理由にはなりません。むしろ、日東駒専レベルの英語問題で安定して高得点を取るためにも、この春の英語集中は不可欠です。英語が安定しない状態で社会・国語を仕上げても、英語で失点して不合格というケースは非常に多いです。どの志望校であっても、4〜6月の英語集中という方針は変わりません。
浪人生の場合も同じ方針でいいですか?
はい、浪人生も基本的には同じです。ただし、浪人生は現役生より勉強時間が多く確保できるため、4月の段階ですでに英文法にも着手できる場合があります。STEP 1の単語を3周した段階でSTEP 2を開始し、並行で進めるペースを早めることが可能です。一方で「去年もやったから大丈夫」と油断して復習をサボることが最も危険です。英単語・英文法は再度ゼロから確認し直す姿勢で臨んでください。
ゴリラ戦略
ゴリラのひと言 この4ステップが仕上がった瞬間、受験の土台は完成する。あとはそこに積み上げるだけだ。
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