「数学の参考書、何をやればいいかわからない」——そう迷っている受験生はとても多いです。本記事では、偏差値80を達成した立場から、大学受験数学の参考書をレベル別に厳選して紹介します。
なお、当ブログで最もおすすめしている「最強の一本ルート」については下の関連記事で別途解説しています。今回の記事は、その一本ルートが合わない人・別の選択肢も知りたい人に向けて、参考書の選択肢を広げるためのマップです。本記事は偏差値60以上の人を対象としています。60に届いていない方はまず入門問題精講やチャート式の基礎から取り組んでください。また、一般入試の受験者を対象としています。
目次
・2. 偏差値60→65:網羅系参考書3選
・3. 偏差値65→70:演習強化の参考書2選
・4. 偏差値70→80:難関大対応の参考書3選
・5. 高3からのスケジュール感について
1. 全体マップと進め方の前提
参考書というのは、読む人のレベルや勉強スタイル、モチベーションによって効果が大きく変わります。「解説が詳しくないと理解できない」という人もいれば、「問題数を絞って集中したい」という人もいます。全員に同じルートが合うわけではないという前提で、このマップを使ってください。
- 偏差値60未満の人は対象外です: まず入門問題精講や白・黄チャートで基礎を固めてください。
- 1冊をやり切る意識を持つ: 参考書を次々に変えることは最もやってはいけない行動です。
- 「自分に合っているか」を最優先する: 人気ランキングより、自分が続けられるかどうかです。
2. 偏差値60→65:網羅系参考書3選
この段階では、入試に必要な解法を体系的に網羅することが目標です。以下の3冊の中から1冊を選んで徹底してください。
青チャート(チャート式基礎からの数学)
最も使用者が多く、情報量も豊富な網羅系の定番です。「みんな使っているから自分だけわからない」という状況になりにくいのが大きな利点で、使い方に迷ったときの情報も最も多いです。特にこだわりがなければ、まずここから選んで問題ありません。使い方の詳細は下のチャート式の使い方記事を参照してください。
フォーカスゴールド(Focus Gold)
青チャートより一歩踏み込んだ内容で、問題数・到達点ともに高く設計されています。啓林館の教科書を使っている人は特に相性がよいです。ただし、偏差値60付近・60未満の人が使うと基礎部分の習得が不十分になるリスクがあります。ある程度数学に自信がある人向けです。
1対1対応の演習(大学への数学)
青チャートやフォーカスゴールドに比べて問題数がコンパクトに絞られており、「分厚い参考書を続けるのがしんどい」「数学に時間をあまり割けない」という人に向いています。問題の選抜精度が高く、入試頻出のツボを押さえた構成になっています。ただし、青チャート等の網羅系の後に使うのが本来の想定なので、基礎の抜けには注意が必要です。
3. 偏差値65→70:演習強化の参考書2選
網羅系が仕上がったら、入試に近い問題で実戦的な演習力を鍛える段階です。以下の2冊のどちらかを選んでください。
理系数学 入試の核心(標準編)
150問という絞られた問題数で、実際の入試の出題形式に沿った良問が並んでいます。無駄が少なく使いやすく、この偏差値帯で最初に選ぶなら個人的にはこちらをおすすめします。偏差値60〜65の参考書がきちんと仕上がっていれば、この1冊でしっかり底上げできます。
標準問題精講(数学)
「標問」の愛称で親しまれている参考書です。入試の核心より全体的にレベルが高めで、難問への対応力を早めに鍛えたい人に向いています。ただし、入試の核心レベルの問題を完全に取れるようになることの方が先決です。偏差値60〜65の参考書の完成度次第で、この2冊のどちらを選ぶかを判断してください。
4. 偏差値70→80:難関大対応の参考書3選
難関大・最難関大を目指す人向けの段階です。ここまで来たら参考書の「選び方」よりも「やり切る質」の方が重要になります。
理系・文系数学の良問のプラチカ
解説の丁寧さ・問題数・難易度のバランスが取れており、確実に取れる問題から難しい問題まで幅広く揃っています。「言うほど良問ではない」という評もありますが、難関大対策の入口として使いやすく、この偏差値帯の最初の1冊として選びやすいです。積分の問題は少ないので注意が必要です。
やさしい理系数学
この1冊が個人的に最も好きな参考書です。タイトルに「やさしい」とありますが、難しいです。最大の特徴は良問しか収録されておらず、かつ1問に対して別解が5〜10個収録されていることです。多角的な視点でベストなアプローチを探る経験が積め、本当の意味での数学力が身につきます。解説はやや薄めなので、行間を自分で埋める作業を繰り返すことが必要ですが、それ自体が数学力向上につながります。
上級問題精講
問題が面白く、意外とレベルは最難関ほどではないという印象です。プラチカと比べると問題選抜の質が高く、難易度も若干上です。プラチカが「確実に取る問題をしっかり押さえている」のに対し、こちらは「難易度高めでバランス型」という位置づけです。東大・京大理系など最難関を目指す人にとって特に有効です。
5. 高3からのスケジュール感について
高3から本格的にスタートする場合の目安として、以下を参考にしてください。
夏休みまでに偏差値60〜65の参考書を2冊、秋以降に65〜70または70〜80の参考書を1冊、というペースが目安です。
各段階でプラス1〜2冊の余裕を持って進めてください。授業で補完される部分がない分、演習量を意識的に積む必要があります。
ここで紹介した参考書はどれも質が高いものです。大切なのは「どの参考書を選ぶか」ではなく、「選んだ参考書をどこまでやり切れるか」です。参考書を変えること・増やすことに時間を使うよりも、1冊を徹底することに集中してください。
このマップはあくまで選択肢の案内です。全員に合うルートは存在しません。自分のレベル・時間・スタイルに合った1冊を選び、それをやり切ることが最も重要です。当ブログが一番推しているルートはこちらの記事で解説しているので、迷ったらそちらを参照してください。