チャート式は、数学の参考書の中で最もメジャーな一冊です。しかし「とりあえず青チャート」という感覚で使い始めて、結局どう進めればいいのか迷っている受験生がとても多いのが現実です。
本記事では、色の選び方から始まり、補助として使う場合とメインとして使う場合で全く変わる勉強法まで、チャート式の正しい使い方を徹底解説します。なお、本記事は一般入試の受験者を対象としています。
目次
・2. チャートの弱点と最初にやるべき準備
・3. 【補助として使う人向け】スピード重視の進め方
・4. 【メインとして使う人向け】偏差値70を目指す使い方
1. 白・黄・青・赤、どの色を選ぶべきか
チャート式には4種類あり、白→黄→青→赤の順に難易度が上がります。どれを選べばいいかについては、正直なところ大きな差はなく、自分の今のレベルに合っているものを選べば大丈夫です。以下を参考にしてください。
まだほとんど手をつけていない、または学校の授業で一度やったけど理解度が低いという人向けです。基礎の基礎から丁寧に積み上げたい場合に向いています。
学校の授業や問題集でひと通り理解はできているという人向けです。定期テストでもそこそこ点数が取れている状態なら黄チャートから始めるのが自然です。
数学に自信があり、わからないところもちゃんと潰せている人向けです。最も使用者が多く、一冊で幅広いレベルをカバーしています。特にこだわりがなければ青チャートを選ぶのが無難です。
楽しんで数学ができる、数学が得意だという自覚がある人向けです。難易度が高く、使いこなせる人は限られています。
予備校にも通わず、他の参考書も使わずチャートだけで完結させるつもりなら、下から上まで網羅できる青チャートを選んでおくのが最も安心です。一冊でカバーできる範囲の広さという意味で、青チャートが最もバランスが取れています。
2. チャートの弱点と最初にやるべき準備
チャート式は網羅性が高い反面、「ここ5〜10年でほとんどの大学で出ていない問題」が混ざっています。そういった問題に時間を使ってしまうのは、受験戦略として非効率です。
志望校の過去問を早めに一度見ておくと、傾向がわかってチャートの中で優先度の低い問題を判断しやすくなります。ただし、無理して早急に見る必要はありません。
あらかじめ飛ばしてよい3分野
志望校に関係なく、以下の3分野はほとんどの大学で出題されないため、最初からバツ印をつけて飛ばしてしまって構いません。過去問をやった後で必要だと気づいたときに振り返れば十分です。
- データの分析・統計: 入試での出題頻度が極めて低いです。
- コンパスを使う作図問題(数学A): 入試ではほぼ出題されません。
- 図形の作図問題(数学A): 同様に出題頻度が非常に低いです。
3. 【補助として使う人向け】スピード重視の進め方
予備校に通っている、または他の参考書も並行してやる予定という人は、チャートを「穴埋めの道具」として使うのが正しい姿勢です。青チャートを3冊重ねると相当な厚みになりますが、これから使う他の参考書はそれに比べてずっと薄いはずです。つまり他の参考書には入試頻出の問題が凝縮されて詰まっているので、チャートに載っている問題をすべて習得しなくても十分に補完されます。
進め方の基本:「できる問題」を素早く判別して飛ばす
チャートを補助として使う場合、最も大切なのはスピードです。以下のルールで進めてください。
- パッと見て「解ける」と思ったら: 解答を見ずに○をつけて次に進んでください。時間をかけて解く必要はありません。
- 「あれ、怪しいな」と思ったら: その問題だけしっかり取り組みます。これが本当に必要な問題です。
- 練習問題・エクササイズ・総合演習は原則スキップ: 他の参考書や予備校でカバーできるので、やらなくて大丈夫です。ただし、チャート1冊だけで完結させようとしている人はやった方がいいです。
わからなくなったときや、後から別の参考書で詰まったとき、またチャートに戻ってくれば大丈夫です。最初から全部を完璧にしようとするのではなく、明らかな抜けを埋めていくための本として使うのがチャートの正しい役割です。
進める順番について
数学Ⅰ・A → 数学Ⅱ・B → 数学Ⅲ・C という順番で、全範囲を1周として捉えて進めるのがおすすめです。1つの範囲にあまり長期間かけすぎると、前の範囲を忘れてしまいます。逆にテンポよく進めることで、全体の感覚を保ちながら学習できます。
4. 【メインとして使う人向け】偏差値70を目指す使い方
予備校にも通わず、他の参考書もほぼ使わないつもりという人は、チャートの使い方がまるごと変わります。補助使用のときのように「パッと見て飛ばす」ではなく、1問に対して本気で向き合う姿勢が必要です。
- 1問につき最低10分は考える: 記述する時間ではなく、「わからないまま考え続ける時間」を最低10分設けてください。最長は1〜3日かけても大丈夫です。すぐに答えを見る癖がついてしまうと、思考力は一切育ちません。
- 解説を本気で理解しに行く: 解答解説を読むときは、自分の考えとどこがズレていたのか、なぜ自分はその発想に辿り着けなかったのかを徹底的に振り返ってください。眺めるだけでは意味がありません。
- 練習問題・エクササイズ・総合演習もやる: メイン使用の場合はすべてに取り組みます。
- 答案を白紙に再現する練習をする: 解答を見て「わかった」と思っても、白紙に何も見ずに再現できなければ本当の理解ではありません。記述する力を養う練習を積んでください。
復習のときは最低20分考える
2周目以降の復習で再び同じ問題に取り組む際は、最低20分は自力で考えてください。「粘り強く考え続けること」こそが、チャートをメインとして使う場合の核心です。どんな思考プロセスをたどっているのかを自分で認識しながら、解答とのズレを分析する——この作業を積み重ねた先に、チャート式だけで偏差値70という到達点があります。
・パッと見て解ける問題は飛ばす
・怪しい問題だけ取り組む
・練習問題・総合演習はスキップ可
・テンポよく全範囲を回す
・1問最低10分は考える
・解説を本気で読み込む
・練習問題・総合演習もすべてやる
・白紙再現の練習を積む
・復習時は最低20分考える
チャート式は使い方を間違えると膨大な時間を浪費する参考書ですが、使い方を正しく理解すれば非常に優秀な教材です。自分が「補助として使うのか」「メインとして使うのか」をまず明確にして、それに合った進め方を徹底してください。
まだ買ってない人はこちら
- ※ なんやかんや神本です
- ※ 数学ⅡB・数学ⅢCや他の色も、リンク先の「関連商品」から見れます